◆ 2022/03/03(金)
「明かりをつけましょ、ボンッ!!!」
それは3月3日の深夜2時のことだった。
「何!!爆破テロだと!?」
「ヤマさん!あの数年前の同じ手口です!」
「クッソーー!今度こそあいつを捕まえてやる!」
そんなヤマさんはあと数日で定年退職を迎える。きっとこの事件が刑事として最後の仕事になるだろう。僕は新米の頃からずっとヤマさんとコンビを組ませてもらっている。今度こそあいつ・・「お内裏ボマー・ボンボリーニ」を捕まえてみせる!それがヤマさんへの恩返しだ。
そう、ヤマさんは10年前、あいつが起こした爆破テロによって奥さんを殺されているのだ。同時多発的に都内各所で爆破が行われた。現場には証拠の山、しかしどの証拠も決定打に欠け、あいつを追い詰める切り札にはならなかった。
今回のテロの標的になったのは3件。現場の痕跡を調査をしたところ、爆弾に使われたものはそれぞれ雛壇飾りの「三人官女」。これも数年前と同じだ。ひとつは恵比寿駅にほど近い路地裏の小さな小料理屋だった。その店の名前は「あさみ苑」。数分遅れて爆破された二軒目は目黒駅の廃ビル「込山ビル」。また数分遅れで爆破された三軒目は五反田駅の「黛色庵(たいしょくあん)」という随分前に閉店したそば屋だった。
爆破は深夜2時。事件現場周辺は人もなく3件の爆破で被害者はゼロ。「お内裏ボマー」は手口は「最初のテロでは被害者を出さない」。これはあくまでもあいつの挑戦状だ。この後に数年前と同じ「女雛爆弾」を使った本命の爆破テロをきっと計画しているのだろう。
その前に・・その前に・・あいつを見つけ出さなければ!「女雛」はどこに仕掛けられているんだ!
そのときあることに気づいた。
「ヤ・・ヤマさん?この3件の現場。よくみてください!【あさみ】【込山】【黛色】これって・・」
そう【あさみ】は殺されたヤマさんの奥さんの名前だ。そして【込山】はヤマさんの本名。そして【黛色】はヤマさんは定年退職を意味しているに違いない。これはあいつのヤマさんへの挑戦状なんだ!
それを伝えようと振り返るとヤマさんはもうそこにはいなかった。足元を見ると破れた手帳のメモの切れ端があった。
「お前はこの事件から手を引け・・お内裏は俺が捕まえる。このままではたのしいひな祭りにならないからな!」
このメモがヤマさんの最後の言葉になってしまったことは、この時の僕はまだ知らなかった。
つづく・・・のか?(オチは考えていない)。
ただ「ひな祭り」の歌の最初の一行から連想して殴り書きしたただの仮のストーリーです。こういう「爆弾魔とベテラン刑事の戦い」みたいなあるあるの事件好きです。いつか思いついたら続きを書きます。
ひなた
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